小説 悪霊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注;これは小説であって架空の物語です

 


 

さて、アダムは妻エバを知った。彼女は身ごもってカインを産み、「わたしは主によって男子を得た」と言った。彼女はまたその弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。時を経て、カインは土の実りを主のもとに献げ物として持って来た。アベルは羊の群れの中から肥えた初子を持って来た。主はアベルとその捧げ物には目を留められたが、カインとその献げ物には目を留められなかった。カインは激しく怒って顔を伏せた。主はカインに言われた。

 

「どうして怒るのか。どうして顔を伏せるのか。もしお前が正しいのなら、顔を上げられるはずではないか。正しくないなら、罪は戸口で待ち伏せており、お前を求める。お前はそれを支配せねばならない。」

カインが弟アベルに言葉をかけ、二人が野原に着いたとき、カインは弟アベルを襲って殺した。

 

主はカインに言われた。

「お前の弟アベルは、どこにいるのか。」

カインは答えた。

「知りません。わたしは弟の番人でしょうか。」

 

主は言われた。

「何ということをしたのか。お前の弟の血が土の中からわたしに向かって叫んでいる。今、お前は呪われる者となった。お前が流した弟の血を、口を開けて飲み込んだ土よりもなお、呪われる。土を耕しても、土はもはやお前のために作物を産みだすことはない。お前は地上をさまよい、さすらう者となる。

 

創世記 4章 1~12節

 

 


 

はじめに

 

2008年11月8日(土)夜、父恩田重留(おんだしげる)が死んだ。当日朝、私恩田謙は父の臨終に立ち会うため姉中村ゑつと共に家族を引き連れては仙台市の恩田重留の自宅に泊まり、父の入院先を訪訪れた。父が亡くなった後私達は弟恩田臺(おんだだい)の自宅に彼の家族と共に集った。そこで臺はおもむろに父の公正遺言証書を私と姉に提示した。そこには父の全財産を臺に相続させる旨が書いてあり、その日付は8年前の2001年11月22日で証人は臺の義母の浅井阿恵だった。

 

なぜ父は自分の遺言を公正遺言証書にしたのだろうか?なぜ浅井阿恵はその証人になったのだろうか?なぜ臺は8年間も父の公正遺言証書のことを兄謙、姉ゑつにも知らせなかったのだろうか?

 

この1年程前、臺は多磨霊園にある恩田家の墓所の管理人を父から自分に変更した旨知らせて来た。この墓は私の愛する娘が眠る墓であって、父の死後私が永年世話をすることを臺も含め両親家族と約束していたはずだった。その為私は臺とかなりの言い合いをしたのだった。

 

どうしてこんな事になったのか?

 

 

 

 


 

目 次

 

1.      ヨブ記に寄せて

2.      父と母について

3.      多磨霊園の恩田家の墓の名義変更

4.      父重留と弟臺への訴え

5.      親戚のサポート

6.      父の引越、入院、見舞

7.      父の召天、遺言書の開示

8.      葬儀、遺言書、相続

9.      埋骨、形見分け

10.    弁護士へ依頼

11.    家庭裁判所で調停

12.    姉の自宅の権利書

13.    裁判

14.    敗訴、その後

15.    父の家の取壊し通知

16.    父の家の鍵

17.    恩田鷹一召天100周年記念の会

18.    T.T.弁護士の解任

19.    臺は墓参をしていない

20.    臺は両親に大事にされていなかった

21.    生前贈与金額の誤魔化し

22.    父の家の取壊し

23.    神能弁護士が弁護を受任

24.    調停申立の提出

25.    疑問だらけの相続資産評価

26.    第1回家庭裁判所調停

27.    臺が独断に走った原因

28.    主張書面(1)

29.    第2回家庭裁判所調停、遺留物品の調査

30.    恩田重留記念館の設置

31.    主張書面(2)、第3回家庭裁判所調停

32.    主張書面(3)、第4回家庭裁判所調停

33.    歴史資料の保存の働きかけ

34.    第5回家庭裁判所調停

35.    恩田 達へのメール