前奏、後奏に使用される曲 (演奏再生は曲名か作曲者像をクリック) 演奏者 福井あや子(クリックして拡大) |
最新演奏 |
作曲;大中寅二 演奏;福井あや子 曲名が「聖餐式」ですから、礼拝の出席者の中で、洗礼を受けた者が、順番に講壇の前に進み出て、跪いてパンと葡萄酒を受けて自席へ戻るまで弾き続ける曲です。曲調が静かで、ゆっくりしていますから、お葬式の献花の際に、出席者が一人ずつ花を供える間中弾き続けるのにも適しています。楽譜がA4判で5ページありますから、譜めくりに苦心しなければなりません。 |
以下、作曲者順 |
作曲;Stephen Adams 演奏;福井あや子 作曲者のAdamsは1844年にイギリスで生まれました。この曲は、独唱曲としても知られています。イエス・キリストの生涯に関係の深いエルサレムについて歌い、「受難」「死」「復活」の主イエスを讃える気持ちを表現しています。曲の終わりの部分に「復活」の喜びを表す盛り上がりがありますから、イースター礼拝の前奏として多く演奏されます。 |
曲名;Komm,
Heil’ger Geist 来ませみたまの神よ 作曲; Andreas
Armsdorf 演奏;福井あや子 作曲者のArmsdorfは1670年にドイツで生まれました。いくつもの教会でオルガニストを務め、彼が作曲したオルガン前奏曲は多くの教会で演奏されましたが、わずか29歳で逝去しました。演奏した曲はト長調ですが、『讃美歌第二編』の103番に、この曲と同じメロディーがヘ長調で使われています。 |
作曲:J.S.Back 演奏;福井あや子 J.S.バッハは1685年に生まれました。バッハの家系には、教会のオルガニストや宮廷楽士として活躍する音楽家が大勢輩出しました。この曲は「8つの小前奏曲とフーガ」の中の前奏曲です。元々はパイプオルガンで演奏される曲を、作曲家の園部順夫がリードオルガン用に編曲したものです。 |
曲名;Christe eleison キリストよ あわれみたまえ 作曲;J.S. Bach 演奏;福井あや子 原題は“Christe, aller Welt Trost”(キリストよ、われらをあわれみたまえ)です。カトリック教会で、謝恩・贖罪・恩寵などの賛歌として演奏されるミサ曲が基になっています。木岡英三郎編
“Liturgical Organ Book”(待降節、復活節、聖霊降臨などの教会暦に沿った礼拝用オルガン曲集)に収録されています。 (福井あや子 記) |
作曲:jacob
Ludwig Flix Menderssohn-Bartholdy 演奏;福井あや子 Mendelssohnは1809年に裕福な銀行家の息子としてドイツで生まれました。38年の短い生涯でしたが、貧困とも孤独とも無縁で幸せな日々を過ごしました。Shakespeareの『真夏の夜の夢』を読んでピアノ曲を作り、のちに歌劇に仕上げました。原曲は大規模な管弦楽曲ですが、ピアノやオルガン用に編曲されています。結婚式が終わり、新郎新婦が退場するときに奏されます。 |
作曲;Ludwig van Beethoven 演奏;福井あや子 Beethovenは1770年にドイツで生まれました。ドイツは冬が長いため、5月の気候が東京の3月頃の気候に当たります。人々は戸外に出て、太陽の光を浴びて楽しみます。この曲は、Beethovenの初期の作品と言われていますが、春の喜びに溢れた明るい曲ですから、多くの人に愛されています。 |
作曲:Frederick Scotson Clark 演奏;福井あや子 作曲者のクラークは1840年にロンドンで生まれ、幼い頃から母にピアノを習いました。パリに留学してオルガンを学び、14歳でリージェント・スクエア教会のオルガニストとなり、その後、ロンドンの各教会のオルガニストを転々とした後に、ドイツで在独英国人教会の牧師となりましたが、音楽の勉強も続け、33歳で再びオルガニストに復帰しました。作曲家としても500曲以上の作品を書き残しました。この曲は、日本基督教団讃美歌委員会編の「祝祭用オルガン聖曲集第2編」に収録されています。 (福井あや子 記) |
作曲;Charles
Alexis Chauvet 演奏;福井あや子 作曲者のChauvetは、パリの音楽学校でオルガン演奏と作曲を学び、Trinitè教会のオルガニストを務めましたが、34歳の若さで永眠しました。「奉献曲」は、カトリック教会では司祭がパンとブドウ酒を祭壇に捧げて焼香する儀式の間に演奏される曲を指しますが、プロテスタント教会では前奏曲として多く用いられています。 |
作曲: Louis-Nicolas
Clérambault 演奏;福井あや子 Clerambaultは1676年にパリで生まれました。パリのいくつもの教会でオルガニストを務め、その間にオルガン用とハープシコード用の曲を作り、1749年に亡くなるまでに、数多くの作品を残しました。その中には、フランス風の曲もありますが、イタリア風の曲も多く残されています。 |
作曲;Theodore Dubois 演奏;福井あや子 作曲者のデュボワは、19世紀後半から20世紀の初めにかけてパリを中心に活躍したオルガニスト兼作曲家です。この曲には、旧約聖書「ルツ記」に記されたナオミとルツの物語を通して、人生行路の苦しみと悲しみが表現されています。園部順夫編『教会オルガン曲集』に収録されています。教会では、受難週(イエス・キリストの受難を覚える期間)に演奏されます。 (福井あや子 記) |
作曲;Sir George Job Elvey 演奏;福井あや子 作曲者のエルヴィーは1816年にイギリスで生まれ、19歳でセント・ジョージ・チャペルのオルガニストに任命されてから、47年間その地位を離れず、その間、オラトリオ(聖譚曲)やアンセム(祝曲)を数多く作曲しました。エルヴィーの曲は、イギリスだけではなく、アメリカやカナダをはじめ英語を話す国々では、教会音楽として広く愛されています。この曲は、イースター(復活節)の祝歌です。日本基督教団讃美歌委員会編の「祝祭用オルガン聖曲集第2編」に収録されています。イエス・キリストの復活を祝って、喜びの気持ちを抱きつつ演奏します。 (福井あや子 記) |
曲名;Christ ist
erstanden キリストよみがえりたもう 作曲;Johann Kaspar Ferdinand Fischer 演奏;福井あや子 Fischerは1656年にドイツで生まれました。宮廷音楽家であり作曲家でもありました。Fischerが作曲した「アリアドネ・ムジカ」(Ariadne Musica)は、ヨハン・セバスチャン・バッハの「平均律クラヴィーア曲集」の重要な先駆的作品であるとみなされています。この時代の作曲家としては大変な長生きで、1946年に89歳で没しました。 |
作曲;Cesar Franck 演奏;福井あや子 作曲者のフランクは1822年にベルギーで生まれ、11歳で音楽学校を卒業してピアニストとして演奏旅行をしました。成人してから、パリの教会で32年間オルガニストを勤めました。この曲は、フランスのアンジェ―ル地方の古いクリスマス・キャロルで、クリスマスの喜びに満ち溢れています。讃美歌委員会編「祝祭用オルガン聖曲集」第一編に収録されています。曲目の解説に「演奏の際に、staccatoのある小節で旋律が切れないように注意しなければならない」と書かれています。 |
作曲;Cesar Franck 演奏;福井あや子 作曲者のセザール・フランクは、1822年にネーデルランド連合王国(現在のベルギー)に生まれ、幼いうちからピアノの才能を示し、12歳で最初の演奏会を開きました。この曲は日本基督教団讃美歌委員会編の『祝祭用オルガン聖曲集 第二編』に収録されています。曲目の解説には「古い民謡かキャロルに基づいているから、牧歌のような素朴な気分で演奏するように」と書かれています。 (福井あや子 記) |
作曲:Cesar Auguste Franck 演奏;福井あや子 Cesar Auguste Franck は、幼い頃から音楽に非凡な才能を示しました。「フランスのBach」とも呼ばれています。11才で音楽学校を卒業し、直ちにピアニストとしてベルギーで演奏旅行をしました。この曲は、カトリック教会の礼拝で儀式の進行中に使われる曲がもとになっています。 |
作曲:Cesar Auguste Franck 演奏;福井あや子 この曲は、カトリック教会における聖母賛歌の一つです。賛歌の歌詞は「神の気高き母にして、永遠の乙女なる海の星」という言葉で始まっています。楽譜の解説には「演奏者は派手な音色を避けて、静かに演奏すると良い」と書かれています。 |
作曲;Cesar Franck 演奏;福井あや子 作曲者のセザール・フランクは、弟のジョゼフと共に英才教育を受けましたが、父の意に沿わない結婚をして父と不仲になったため、ピアノ教師、教会オルガニストとして慎ましい生活を送りました。この曲は木岡英三郎編の『ハルモニウム・オルガン曲集 第一集』に収録されています。楽譜には“Maestoso”(荘重に)という指示がありますから、馬小屋に生まれた救い主イエス・キリストを想いつつ、重々しい感じで演奏すると良いでしょう。 (福井あや子 記) |
作曲;シャルル・グノー 演奏;福井あや子 近代フランスの作曲家、シャルル・グノーの『荘厳ミサ曲』(St.Cecilia Mass)の中の“Sanctus”(カトリックの聖餐式)の曲です。園部順夫編『教会オルガン曲集』第二巻に収録されています。原曲では、冒頭部分がソプラノの合唱、中盤は独唱者によって歌われ、終わりの部分は混成合唱で「聖なるかな、聖なるかな、万軍の主よ、汝の御名を讃えまつらん」と音量豊かに歌われます。(福井あや子 記) |
作曲;G. F.
Handel 演奏;福井あや子 この曲の作曲者も、上記と同じくヘンデルです。ヘンデルは、ヨハン・セバスチャン・バッハと同じ1685年生まれです。上記の「ブレー」と同じく、楽しい雰囲気の二拍子ですから、二曲とも結婚式後の「新郎新婦退場」の場面などのBGMとして使うことが出来ます。この曲の終わりに近い部分には、ヘンデル作曲の「メサイア」を連想させるような、盛り上がりを感じさせる和音の動きがあります。 |
作曲;G. F. Handel 演奏;福井あや子 「ブレー」は二拍子の踊りの音楽です。ヘンデル(1685~1759)は、ドイツの作曲家ですが、後半生をイギリスで送りました。教会音楽のほかにオペラの作曲も手がけました。イエス・キリストの降誕・受難・復活の三部から成る「メサイア」を作曲したのも、このヘンデルです。下記の「小フーガ」と共に、木岡英三郎編「ハルモニウム・オルガン曲集
第二集」に収録されています。 |
作曲;Franz Joseph Haydn 演奏;福井あや子 18世紀の半ばから後半にかけて活躍したフランツ・ヨーゼフ・ハイドンの作曲で、原曲は管弦楽曲です。ハイドンは古典派を代表するオーストリアの作曲家で、数多くの交響曲と弦楽四重奏曲を作曲しました。日本基督教団讃美歌委員会編の『祝祭用オルガン聖曲集』第二編に収録されています。人の罪を贖うために十字架に架けられたイエス・キリストを想いつつ、ゆっくりとなだらかに演奏します。 (福井あや子 記) |
曲名;I want to be a Christian 弟子にしてください 作曲;黒人霊歌、 讃美歌第2編 173番 演奏;福井あや子 原曲はアメリカの黒人霊歌です。1978年に日本基督教団讃美歌委員会から出版された『讃美歌第二編』に収録されています。1951年にアメリカでThe Westminster Pressから出版された“The Hymnal for Youth”にも、1967年に日本で出版された『讃美歌第二編』にも、収録されています。 「でしにしてください わが主よ こころのそこまで でしにしてください」という歌詞が繰り返し歌われます。 (福井あや子 記) |
作曲;Nicolas Lebegue 演奏;福井あや子 作曲者のベーグは17世紀後半に活躍したフランスの作曲家、オルガニスト、ハープシコード演奏家です。オルガニストとしては、パリを中心に活躍しました。この曲はクリスマス・カロルとして、待降節(イエス・キリストの誕生を待ち望む期間)からクリスマスにかけて演奏されます。日本基督教団讃美歌委員会編『祝祭用オルガン聖曲集』第一編に収録されています。 (福井あや子 記) |
作曲;Jean Baptiste de Lully 演奏;福井あや子 Lullyは1632年にイタリアで生まれましたが、フランス国王に才能を認められてフランスの宮廷作曲者となり、オペラや仮面劇のほかに、教会音楽を数多く作曲しました。この「結婚行進曲」の「曲目解説」の中で、小泉功氏は「フランス的な香りの高い美しい曲である」と書いています。 |
作曲:P. C. Lutkin 演奏;福井あや子 この曲は、祝祷の後に聖歌隊が歌う合唱曲として、よく知られています。テノール、バス、アルト、ソプラノの各パートが「アーメン」を繰り返す部分が美しく響きます。讃美歌第二編の259番に見られる原曲はハ長調ですが、園部順夫編『教会オルガン曲集』に収録されているこの曲は変ニ長調に編曲されていて、ハーモニーが美しく響きます。 |
作曲;A.W. Marchant 演奏;福井あや子 “Communion”には「霊的な交わり」という意味があり、「聖餐式・聖体拝領」を表す言葉として使われます。聖餐式でのパンの拝受には「イエス・キリストの体を受ける」という意味があり、ぶどう酒の拝受には「イエス・キリストの血潮を受ける」という意味があります。 木岡英三郎編『ハルモニウム・オルガン曲集 第Ⅰ巻』に収録されています。 (福井あや子 記) |
作曲;Felix Mendelssohn 演奏;福井あや子 作曲者のメンデルスゾーンは、19世紀前半のドイツ・ロマン派の作曲家・指揮者で、オルガニストでもありました。祖父は哲学者、姉は作曲家という恵まれた環境で、幼い頃から音楽の才能を示しました。この曲は、クリスチャン・ミュージック・センター出版の『Mendelssohn for Manuals』に収録されています。巻末に「明るく、はっきりした音で演奏するように」という指示が書かれています。 (福井あや子 記) |
作曲;Felix Mendelssohn 演奏;福井あや子 この曲もメンデルスゾーン作曲で、『Mendelssohn
for Manuals』に収録されています。題名が「アダージョ」ですから、急がずにゆっくりと演奏します。音色は「明るく、はっきりとした音」を選びます。 (福井あや子 記) |
曲名;Ave verum corpus (ああ、まことの聖体) 作曲;Wolfgang
Amadeus Mozart 演奏;福井あや子 作曲者のMozartは4歳で作曲を始め、膨大な数の作品を残しました。この曲は、聖歌隊が歌うための曲として作られたものですが、神への敬虔な感情が表現されていますから、前奏用あるいは後奏用として多く用いられています。Mozartは、この曲を作曲した半年後に、35歳で永眠しました。 |
曲名:SUITE DU DEUXIEME TOM Plein Jeu 作曲:Louis
Nicolas Clerambault Clerambaultは、1676年にパリで生まれ、1749年に没しました。その作品の特徴は「優雅で感情に訴える表現力がある」と言われています。この曲を初めから終わりまで通して演奏すると、礼拝の前奏としては「長過ぎる」感じがありますから、礼拝出席者の黙祷時間に合わせて、和音で区切ることができる箇所で終わるように工夫すると良いでしょう。 |
作曲者:大中寅二 この曲は、大中寅二著『礼拝用オルガン小曲集』に収められています。大中寅二は、『リードオルガン教則本』をはじめ、リードオルガンで演奏するための曲を数多く作曲しました。この『小曲集』には前奏曲の他に、聖餐式、献金、祝祷後の目祷の時に弾くための、8小節や16小節の短い曲がおよそ100曲収められています。 |
作曲者:大中寅二 ヘ長調の4拍子で、ゆったりとした感じの曲です。大中寅二著『礼拝用オルガン小曲集』に収められています。タイトルに「儀式」と書かれていますから、洗礼式が行なわれる礼拝や、召天者記念などの改まった感じの礼拝の前奏に相応しいでしょう。終わりの方に、冒頭と同じメロディーが2小節出てきますから、時間の都合で、もっと長く時間をかけて弾く必要がある場合には、ここから冒頭へ戻って弾くことが出来ます。 |
作曲;大中寅二 演奏;福井あや子 ヘ長調で四分の四拍子ですから、司式者や説教者が退場する際の歩調に合わせて演奏することが出来ます。曲の終わりにD.C(da capo:初めから繰り返して)の記号がありますから、中程のFine(終わり)まで繰り返し弾いてから終わるのですが、退場者の歩く速度を見ながら演奏して、繰り返して弾くかどうかは、演奏者が判断すると良いでしょう。献金のBGMなどに使うこともできます。大中寅二作曲『オルガン聖曲集』(オルガン曲集№1)に収録されています。(福井あや子 記) |
作曲;大中寅二 演奏;福井あや子 ト長調で四分の三拍子の弾きやすい曲です。この曲の中には、フレーズが「1の和音」で終わる箇所がいくつかありますから、献金の際のように、曲の途中で演奏を終わりにしなければならない場合などに便利です。テンポが早くなり過ぎないように、献金を集めている担当者の歩き方を見ながら演奏して、どこで弾き終えるかを判断すると良いでしょう。大中寅二作曲『オルガン聖曲集』(オルガン曲集№1)に収録されています。(福井あや子 記) |
作曲;大中寅二 演奏;福井あや子 大中寅二は、作曲家、教会のオルガニスト兼合唱指揮者として、二十世紀半ばに半世紀以上活躍し、とりわけ教会音楽を数多く作曲しました。大中寅二は、童謡の「さっちゃんはね」「犬のおまわりさん」などを作曲した大中恩の父親です。この『後奏曲』は、日本基督教団出版局から発行された「オルガン曲集」シリーズの『オルガン聖曲集』(大中寅二編)に収録されています。 (福井あや子 記) |
作曲;大中寅二 演奏;福井あや子 この前奏曲も、前述の『オルガン聖曲集』に収録されています。大中寅二が作曲したのは、教会音楽だけではありません。1936年に発表された歌曲の『椰子の実』(名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ)の作詞者は島崎藤村、作曲者は大中寅二です。 (福井あや子 記) |
作曲;大中寅二 演奏;福井あや子 この曲も、日本基督教団出版局から発行された「オルガン曲集」シリーズの『オルガン聖曲集』(大中寅二編)に収録されています。曲の冒頭には「厳かに、しかし、やわらかに」という寅二自身の指示が書かれています。 (福井あや子 記) |
曲名;後奏曲 (昭和22年の1月からNHKの「おやすみの番組」の中で毎晩弾いたものです。) 作曲;大中寅二 演奏;福井あや子 |
作曲;大中寅二 演奏;福井あや子 日本基督教団讃美歌委員会発行の『オルガン聖曲集』(大中寅二作曲)に収められています。この聖曲集はリードオルガン用です。大中寅二は序文に「欧米のオルガン曲の多くはパイプオルガン用に作られているが、私はリードオルガン独特の曲があっても良いと思っている」と書いています。「暗く寂しく(おそく)」という指示がありますから、葬儀や永眠者記念礼拝の前奏に相応しいでしょう。 |
作曲;大中寅二 演奏;福井あや子 曲名の「前奏曲」の後に、(頌栄)と付記されています。「頌栄」とは「父と子と聖霊に栄光あれ」“Glory to the Father, and to the Son, and to the Holy Spirit”という意味ですから、神の栄光を讃美しつつ、心を込めて演奏します。この曲と同じメロデイが、1954年版の『讃美歌』では23番に、『讃美歌21』では210番に使われています。 |
作曲:大中寅二 演奏;福井あや子 曲の冒頭部分はト短調ですが、途中からト長調に変わります。「悲しみの後に、希望と喜びがある」という気持ちをもって、祈りつつ演奏すると良いと思います。タイトルに「葬儀用の曲」とは書かれていませんが、葬儀の献花の際等に、遺族の方々への慰めと励ましのメッセージを込めて演奏するのが相応しいでしょう。 |
曲名:Was
Gott tut, das ist wohlgetan 神のみわざは またくとうとし 作曲:Johann Pachelbel ヨハン・パッヘルベル 演奏;福井あや子 Pachelbelは、17世紀における南ドイツのオルガン演奏家スタイルの代表者と言われ、「コラールの多様な取り扱いが高度であり、礼拝と密接に結びついている」と評されています。Pachelbelのオルガン技法は、ヨハン・セバスチャン・バッハにも影響を与えました。 |
曲名: Da Jesus an dem Kreuze stund 主イエスは十字架に架かりたもう 作曲:Johann Pachelbel 演奏;福井あや子 この曲はドイツのPachelbelによって17世紀に作られたコラールです。プロテスタントのコラールは旋律が単純であるために会衆によって歌われ続け、礼拝の中心となり、教会音楽の中核となっていきました。イエス・キリストが十字架に架けられた「受難週」の礼拝の前奏に相応しい曲です。 |
曲名:Allein zu dir,
Herr Jesu Christ 主イエスキリストよ 主にのみたのみまつる 作曲:Johann Pachelbel 演奏;福井あや子 Johann Pachelbelは、17世紀後半のドイツで、礼拝音楽の作曲者および演奏者として活躍しました。この曲は基督教音楽出版の「オルガン・ブック」第五集に収録され、「感謝・信頼」の部に分類されています。冒頭に“Tranquillo”(静かに)という指示が付いています。 |
曲名:Bein letzten
Abendmahle 聖晩餐 作曲:Johann Pachelbel 演奏;福井あや子 この曲は基督教音楽出版の「オルガン・ブック」第五集に収録されています。曲集では「聖晩餐・御聖体拝領」の部に分類されていますから、聖餐式を行なう礼拝の前奏曲、あるいは聖餐式の間に演奏する曲と考えられます。冒頭に“Andante Ruhig”(ゆるやかに落ち着いて)という指示があります。 |
曲名;Ein feste Burg ist unser Gott 神はわが櫓 作曲;ヨハン・パッヘルベル 演奏;福井あや子 この曲はマルチン・ルターが作詞・作曲した讃美歌に基づいて作られています。1954年版の『讃美歌』では267番「神はわが櫓(やぐら)」、1997年版の『讃美歌21』では377番「神はわが砦(とりで)」に、この曲の基となったルターの曲を見ることが出来ます。パッヘルベルは17世紀のドイツにおいて、音楽教育活動を通して重要な布教を行った者の一人と言われ、ヨハン・セバスチャン・バッハの音楽にも影響を与えました。 (福井あや子 記) |
曲名;Allein zu dir, Herr Jesu Christ 主イエスキリストにのみ頼みまつる 作曲;ヨハン・パッヘルベル 演奏;福井あや子 作曲者は上記の「神はわが櫓」と同じヨハン・パッヘルベルで、2曲はともに、木岡英三郎編『教会暦オルガン・コラール』曲集に収録されています。「コラール」は一般に、ドイツのルター派教会で用いられる讃美歌や、讃美歌に基づいた曲を指します。この曲には「感謝・信頼を表す」という解説があり、“Tranquillo”(落ち着いて、穏やかに)という指示が付いていますから、それぞれの音を大切にして急がずに演奏すると良いでしょう。 (福井あや子 記) |
作曲:Max Reger 演奏;福井あや子 Max
Regerは1873年にドイツで生まれました。この曲はヘ長調のメロディで始まりますが、途中でテーマがニ長調に発展し、後半では変ニ長調に変わります。和音の展開が自然で、美しい流れを生み出しています。途中2か所に、左手と右手の指使いに細心の注意を必要とする箇所があります。 |
作曲;Johann
Christian Heinrich Rinck 演奏;福井あや子 作曲者のRinckは1770年にドイツで生まれました。教会のオルガニストであると同時に、Darmstadt大学の教授でもあり、のちには宮廷音楽師となりました。この曲は13世紀の教会旋法による旋律で、イースターにはドイツだけではなく、世界各国の教会で演奏されます。 |
作曲;Johann
Gottfried Schicht 演奏;福井あや子 作曲者のSchichtは1753年にドイツで生まれました。大学で法律を学びましたが音楽に熱中し、ドイツで栄誉ある楽団の合唱長を務めました。この曲は、讃美歌委員会編集の『祝祭用オルガン聖曲集』に収録されていますが、曲目解説に「祈祷の前奏曲として静かにゆっくりと演奏すると良い」と書かれています。 |
作曲:Robert Alexander Schumann 演奏;福井あや子 Schumannは1810年にドイツで生まれました。46年の生涯で、作曲家としても音楽評論家としても、多くの仕事をしました。同時代のMendelssohnの「形式主義」に対して、Schumannの曲は「ローマン主義的だ」と言われています。原曲は作者不詳のピアノ曲ですが、Schumannがオルガン用に手を加えて「葬送行進曲」という題をつけ、フランスの「礼拝用オルガン曲集」に収録されました。 |
作曲;高田二郎、 編曲;松田 演奏;福井あや子 この「平和の祈り」は、13世紀にイタリア半島で活動したフランシスコ会の創始者であるアッシジの聖フランシスコに由来すると広く信じられ、愛唱されてきました。マザー・テレサ、ヨハネ・パウロ二世、マーガレット・サッチャーなど、宗教家や政治家が演説の中で、この祈りを朗誦したり引用したりしました。日本の教会では、高田三郎作詞、松田孝一編曲のこの曲を、聖歌隊が奉唱することもあります。 (福井あや子 記) |
曲名;人形のお葬式 Dolly’s
Funeral(Kinder Album) 作曲;Piotr
Ilyitch Tchaikovsky 演奏;福井あや子 Tchaikovskyは1840年にロシアで生まれ、法律学校で学んで司法省の書記となりましたが、音楽への情熱を捨てきれず音楽学校に進んで作曲を学び、歌劇、ピアノ曲、ヴァイオリン曲、チェロ曲等、多種類の曲を作りました。この曲は、可愛い人形の死を悼む子供の感傷を表現しています。曲の解説には「この曲は、子供の葬式に用いるのが最適であろう」と書かれています。 |
作曲:Wilhelm Richard Wagner 演奏;福井あや子 1813年に生まれたWagnerは、管弦楽曲、合唱曲、ピアノ曲、歌曲などを数多く作曲しました。この曲は、Wagner作曲の楽劇『ローエングリン』第三幕の結婚式の場面で奏されます。教会では、この曲に合わせて新郎新婦が入場します。裾の長いドレスを着て緊張して歩く花嫁の歩調に合わせて演奏する配慮が必要です。 |
曲名:Wachet
auf, ruft uns die Stimme 起きよ ものみの声 聞こゆ 作曲:Johann Gottfried Walther ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター 演奏;福井あや子 Waltherはドイツ・コラールを数多く作曲し、宗教改革で有名なマルティン・ルター の「音楽上の協力者」と呼ばれています。この曲では、この時代の書法通り、コラール旋律がテノールに置かれています。1954年版の「讃美歌」の174番に、この曲と同じ旋律が使われています。 |
作曲;ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター 演奏;福井あや子 この曲は、16世紀のドイツの作曲家Waltherによるコラールです。コラールには、会衆の信仰が強く表されているものが多くあり、家庭での祈祷の時に家族で歌ったり、教会での礼拝で聖歌隊が歌ったりすることが多く、「プロテスタント教会の会衆歌」とも言われています。 作曲者のヨハン・ゴットフリート・ヴァルターは、ドイツの後期バロック音楽の作曲家で、オルガニストでもあり、音楽理論家としても活躍しました。バッハの従兄でもあり、バッハとともに、18世紀のイタリア音楽を鍵盤楽器用に編曲したほか、オルガン曲もいくつか作曲しました。この曲は「ふるき年はゆきぬ」というタイトルですから、新らしい年の礼拝の前奏に相応しいでしょう。木岡英三郎編「オルガン・ブック第五集」に収録されています。 (福井あや子 記) |
作曲;ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター 演奏;福井あや子 作曲者のヴァルターは1684年にドイツに生まれ、18歳で教会オルガニストになりました。この曲は、54年版讃美歌136番(血しおしたたる)のための前奏曲です。同曲のための前奏曲は数多くありますが、この曲は高音部に旋律が出てくるので、会衆にとって分かりやすく親しみやすい曲となっています。讃美歌委員会編「祝祭用オルガン聖曲集」第一編に収録されていますが、曲目解説に「歌詞の一フレーズ毎に少しずつritardandoすると、この曲を生かすことになると思われる」と書かれています。 |
作曲;Johann Gottfried Walther 演奏;福井あや子 1684年にドイツで生まれたWaltherは、ドイツ後期のバロック音楽の作曲家であり、オルガニストでもありました。ヨハン・セバスチャン・バッハの従兄です。この曲は『教会暦オルガン・コラール前奏曲集』第五集に収録されています。「コラール」には「プロテスタント教会の会衆歌」という意味があります。曲の冒頭に「夕拝」と書かれていますから、「夕べの祈り」を想いつつ、静かに演奏します。 |
曲名;In dulci jubilo
もろびとこえあげよろこびうたえ 作曲;Friedrich Wilhelm Zachau 演奏;福井あや子 これはクリスマスの季節にイエス・キリストの降誕を喜び称える曲です。1954年版の『讃美歌』102番「もろびと声あげ、喜び称えよ」のソプラノ部分と同じメロディーを右手で弾き、細かい動きの低音部を左手で弾きます。『讃美歌』102番ではヘ長調ですが、Zachauはト長調で作曲しました。『教会暦オルガン・コラール前奏曲集』第五集に収録されています。 |